三谷幸喜書き下ろし最新作
『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』
主演・柿澤勇人が三谷作品に初挑戦! 本作の魅力をアツく語る!
「三谷さんとの化学反応で何か新しいことが起こるんじゃないかと
今からワクワク!
確実に面白い舞台にします!」
19世紀末、ロンドン、ベーカー街221b。シャーロック・ホームズは如何にして、偉大なる名探偵になったのか? 10月3日(木)~6日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演する『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』は、「シャーロック・ホームズのファン」と公言する三谷幸喜が、世界で最も有名な名探偵シャーロック・ホームズの若き日の物語を描く、書き下ろしの最新作。
この作品で主人公のシャーロック・ホームズを演じるのは、劇団四季からデビューし、退団後もミュージカルを中心に数多くの作品に出演する演劇界のスター・柿澤勇人(かきざわ はやと)。そして、相棒となるジョン・H・ワトソン役に佐藤二朗、事件の依頼人ヴァイオレット役に広瀬アリスと、豪華キャストが集結。三谷作品初参加となる3人の共演に加え、八木亜希子、横田栄司、はいだしょうこ、迫田孝也が出演する。すでに大阪、東京、福岡公演ともに、チケット一般発売日に即日完売し、全劇場で追加公演も決定。そんな話題の舞台に主演する柿澤が本日、大阪のカンテレ本社で行われた囲み会見に出席。初めて挑む三谷作品への意気込みを語るとともに、本作の魅力をPRした。
昨年、柿澤が出演したミュージカル『メリー・ポピンズ』を三谷が観劇したのがきっかけとなり、今回の主演に大抜擢されたという柿澤。三谷からは「僕のホームズがここにいる」と言われたそうで、「ミュージカル作品を観て、今回のストレートプレイで僕にインスピレーションが湧いたというのがすごく嬉しかったです」とにっこり。ただ、ホームズ役の話が来た時は半信半疑だったという。「マネージャーに居酒屋へ呼ばれたんです。『何か怒られるのかな、何か悪いことしたのかな』と思っていたら、『カッキー、三谷さんがやりたがってんだよ』って聞いて。そのときは『嘘でしょ、またまた~』って信じられなかったですね。でも、正直嬉しかったですし、しかも、三谷さんはシャーロック・ホームズに思い入れがすごくあって、ご自身も“シャーロキアン”(シャーロック・ホームズの熱狂的ファン)というくらいお好きな作品。そのホームズ役を演じるんだから、『ちゃんとやんなきゃ!』って思いました」と身の引き締まる思いも。
三谷作品は今回が初挑戦。「役者としては三谷さんの作品にはいつかは出たいと思っていました。笑いに妥協せず、でも、ただ笑わせたらいいというのではなく、作品の持っているメッセージは絶対ぶれないという印象がありますし、役から逸脱しない笑いはすごくカッコイイ! 三谷さんはご自身で脚本を書かれますし、その人の個性や特性を生かした当て書き方をされると伺っています。もちろん、インスピレーションが湧かないとキャスティングされないとずっと聞いていたので、やっぱりそれが嬉しいですね」と、念願の三谷作品への思い入れはひとしお。
そんな三谷の描くホームズ像はというと…? 「ホームズは天才肌で、推理に関しては風変りというか、突然、奇声を発したり、這いつくばったり、暴れたり、匂いをかいだりすると言われました(笑)。もちろん僕は普段、そんなことないですが、そういう風に見えたんでしょうか(笑)。あと、人付き合いが苦手で、女性も苦手で、でもワトソンだけは信用しているという人物。三谷さんからは『そのまんまでいいよ』と言われたので、そのまんまでいようと思っています。ただ、ホームズについてそれほど詳しくなくて、三谷さんから『映画の1本くらいは観ておいて』と言われたので、(ベネディクト・)カンバーバッチの『SHERLOCK/シャーロック』を観たり、小説を読んでいます。ホームズの癖や特技やしぐさは勉強になりますね」と役作りもばっちり。その一方で、「資料も膨大にあるけど、既存の作品ではないので、あまりそこには捉われず、自分なりのシャーロック・ホームズを演じられたと思っています」というから、新しいシャーロック・ホームズ像に期待は高まるばかり。
柿澤というとミュージカル俳優のイメージが強いが、今年はストレートプレイの作品が続いていることに、「僕が劇団四季を辞めたのも芝居をしたいからで、役者とは何か、芝居とは何か、演技って何なんだろうと思って、勉強し直そうと思って退団を決意したんです。ホリプロに入ってからも、ミュージカルだけだと自分としては成長できないし、『ミュージカル公演がない年があってもいいんじゃないか』とずっと言ました。今年前半、ミュージカルから離れてみて思うのは、とにかく“楽しい”ということ。歌と踊りは技術が伴います。単純に音を外したら音痴になるし、踊りもセンスがなかったらだめなわけで、その技術を出さずしてどう戦うのか。いかにそこで戦えるかということを僕自身に課しているので、『やっときたな』って感じですね」とこだわりを熱弁。ちなみに、プライベートで歌を歌うのは大好きで、カラオケの十八番はライオンキングの『ハクナ・マタタ』だそう。
そして、共演者の佐藤とは「以前、舞台で共演して、2~3カ月がっつり一緒だったので、ほぼ毎晩一緒に飲んで、毎晩酔っぱらっていたし、今年の1月1日も飲んでいました」というほど、プライベートでも大の仲良し。「でも、それぞれ違う舞台を三谷さんが観てくださって、キャスティングされた訳なので、『これは縁だよね』って話していたんです。そういう意味では、二朗さんとの芝居には何も不安はないですね。でも、僕自身この舞台にプレッシャーを感じているってことを、二朗さんに相談したら、『何も恐れるな! 俺がお前を最高のシャーロック・ホームズにしてやる!』って酔っ払いながら言っていたので、もし最高じゃなかったら、二朗さんのせいです(笑)」といたずらな笑みを浮かべる場面も。一方、事件の依頼人ヴァイオレット役の広瀬とは今回が初共演。「ドラマや映画を拝見していて、綺麗で美しいのは言うまでもないんですが、とにかく芝居がうまいなという印象があります。僕は人見知りな性格なので、稽古や本番を含め3カ月かけて仲良くなれたら」という思いも明かした。
今回、チケットは即完売し、早くも追加公演が決まったことに、柿澤は「あ、増えちゃったって感じですね(笑)。1日2公演は結構大変なんですよ。でも、チケットが売れたのは三谷さんのお陰ですし、シャーロック・ホームズの作品に皆さんが興味を持ってくださったのは本当に有り難いですね」と感謝しきり。そんな中、大阪公演で楽しみなことを聞かれると…? 「東京だと車で移動するので、芝居が終わった後、すぐにお酒が飲めないんです。でも、大阪では車に乗らないので、すぐにお酒が飲めます! 北新地や難波にすぐに飲みに行きたい!!」と堂々宣言。眠くなるまで飲むという酒豪ぶりを明かすも、「公演には一切影響ないです! 二朗さんもそうです!」とそこはきっぱり断言した。
会見で、ショービズ界の一時代を築いたジャニー喜多川氏の訃報が話題に上がると、「日本のエンターテインメントの一時代を作った方で、僕も劇団四季の浅利慶太先生や、蜷川幸雄さんにお世話になってきましたし、皆さんそれぞれの時代を作ってきた方。そういう方が亡くなることに、喪失感はあります」としんみり。そして、 「母から『ジャニーさんが亡くなったね』ってLINEが来たんです。僕は覚えてないんですが、僕が中学生のとき、ジャニーズ事務所の方に『ジャニーズに入らないか』って声を掛けられていたらしんです。『もし、ジャニーズに入っていたらどうなっていたんだろうね』って書かれていて初めて知ったんですが…」と発覚した意外な事実に本人もびっくり!
最後に、『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』の公演を楽しみにしてくださっている関西の方に向けて、「大阪は笑いに厳しく、熱量もすごいっていう印象がありますが、どの土地でもいい芝居を見せることが僕のやるべきことだと思っています。そして、今回は作・演出が三谷幸喜さんなので、信頼して飛び込むだけです! 僕も含めて、二朗さん、アリスちゃん、(横田)栄司さん、はいだ(しょうこ)さんは三谷組が今回初めてなので、三谷さんとの化学反応で何か新しいことが起こるんじゃないかと今からワクワクしています。1カ月間の東京公演を経て、大阪にお邪魔するので、その頃には確実に出来上がったお芝居になっていると思いますし、確実に面白い舞台にします!」とアツいメッセージで締めくくった。
三谷幸喜が挑む書き下ろし最新作『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』。若き日のシャーロック・ホームズに待ち受ける、人生最初で最大の試練とは? 柿澤勇人が演じる新たなシャーロック・ホームズに、是非ご期待ください!
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【公演名】『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』
【作・演出】三谷幸喜
【音楽・演奏】荻野清子
【出演】柿澤勇人 佐藤二朗 広瀬アリス 八木亜希子 横田栄司 はいだしょうこ 迫田孝也
【公演情報】
◆東京・世田谷パブリックシアター 2019年9月1日(日)~29日(日)
◆大阪・森ノ宮ピロティホール 2019年10月3日(木)~6(日)
◆福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール 2019年10月12日(土)~13(日)