橋本良亮、人生で1回だけの舞台
『スワンキング』大阪公演開幕!
橋本良亮(A.B.C-Z)の初主演ミュージカル『スワンキング』がいよいよ大阪で開幕! 人気演出家のG2が作・演出を手掛ける新作オリジナルミュージカルだ。ワーグナーの音楽に魅入られて破滅的浪費を繰り返し、“狂王”と呼ばれたバイエルン王国の若き美貌の国王・ルートヴィヒ二世。そして、借金と女性関係に苦しみながらオペラにすべてを捧げた天才作曲家・リヒャルト・ワーグナー。この2人の愛憎関係を軸に、壮大なスケールで描く物語だ。ルートヴィヒに橋本良亮、ワーグナーに別所哲也ほか、梅田彩佳、渡辺大輔、今江大地(関西ジャニーズJr.)、牧田哲也、そして夢咲ねねがオーストリア皇后・エリザベートを演じるなど、実力派キャストたちでつづるミュージカル。コロナ禍の中で「東京公演を無事に終えてホッとしている」と語る橋本が夢咲と共に公演前日に大阪入り、意気込みを語った。
橋本は、見た目ですぐにわかるほど痩せている。もとは67、8キロあった体重を、役作りのために12、3キロ減量したと言う。「スラッと立っている姿がカッコイイと思って。参考にした映画でも実物の画像も、スラッとしててすごくかっこよかったから」。若き美貌の国王にふさわしく、純白の豪華な衣裳が良く似合う。が、その体重維持は大変だ。「ほかの仕事で食べるロケが多くて(笑)。食べたらすぐに吸収するから、ロケの次の日は2、3キロ増えてしまって。衣装をジャストサイズで作っていただいたので、ちょっとでも太るとパツパツになるんです。だから、今日、頑張って2、3キロ落として来ました」。夢咲も会場の記者たちからも思わず驚きの声が。「その体重が、僕がルートヴィヒを演じるベスト体重だと思うので」。初主演ミュージカルへ挑む気合いを感じさせた。
宝塚時代に新人公演でエリザベートを演じていた夢咲はオファーを受け「プレッシャーがすごく大きかった」と話す。「皆様の中に確固たるイメージがあると思うので、受け入れていただけるのか不安で。でも、作り上げていくうちに彼女にも身内に見せる表情や心安らぐ瞬間もあったと思えたので、あのエリザベートと同一人物としてそこにプラスアルファできたら」と演じている。ルートヴィヒとは「似た者同士で心を許し合えた同志だった」エリザベートはまた、「彼自身の心の中の幻影としてアドバイスする役」でも登場する。
橋本はルートヴィヒを「指令を出す時はすごい王様ですけど、仲間と一緒にいる時は素の、ちょっとキャピキャピした王様を演じるようにしています」と役作りを語る。「ワーグナーの作品のためだったら身を削ってもいいというぐらい、ルートヴィヒは彼の音楽を愛していた。でも、彼と仲良くするのは最初の一瞬だけで、そこから最後までずっとバチバチなんですよ。お客様は『なんで仲良くしないの?』って思うだろうけど、そこがまたおもしろいところで。2幕の初めにワーグナーとバチバチになって歌う曲があるんですが、バチバチだけど歌っていて、僕、すごく気持ちいいんです。そういうところも観ていただけたら」。
そして、荻野清子の音楽が素晴らしい、と2人は声をそろえる。「荻野さんの曲はほんとに壮大で、この作品にすごくマッチしている」と夢咲が言い、橋本も「全部心に染みる、聴いただけで鳥肌が立つと言うか。昼公演終わったら、早く夜公演の歌を歌わせて、っていう気持ちになるんです。それぐらい魅力的な音楽だと思いますので、是非聞き逃さないで。1曲1曲感じてほしいと思います」と絶賛する。
湖で謎の死を遂げたと伝わるルートヴィヒ二世。ヨーロッパ音楽界・史上最悪のスキャンダル。魅力的な物語で見逃がせないのは「プロローグとエピローグ」と夢咲。「キーになるプロローグからいろいろな物語がグワッと再生されていく。そして、お客様それぞれのエピローグを迎えられるのではと思います。登場人物1人1人の気持ちになって観ていただくのも楽しいかと。今しか体験できないものが劇場で毎日生まれます。東京で練り上げた『スワンキング』を大阪の皆様にご覧いただけることをとてもうれしく思っています」。
6月17日に東京公演を終え、2週間空けて大阪からツアーがスタートする。橋本は「これだけ空くのは初めてでちょっと不安ですが、生で多くの方に観ていただきたい気持ちが強いですし、大阪の方にツアー一発目を観ていただけるのはうれしい。自分で言うのもなんですけど、ほんとに素晴らしい作品です。初主演ミュージカル、これが人生で1回だけの舞台。ちゃんと目に焼き付けてほしいと思っています。再演、目指して臨みます!」。
撮影=西木 義和