『4000 マイルズ～旅立ちの時～』
アメリカ西海岸から東海岸へ――
僕と祖母のめぐり逢いの物語
舞台『4000 マイルズ～旅立ちの時～』で主人公レオ役を演じる
俳優の岡本圭人さんが大阪で行われた取材会見に出席。
本作は、2011年にオフ・ブロードウェイにて世界初、2012年にオビー賞のベスト・ニュー・アメリカンプレイを受賞、 2013年にピューリッツアー賞の最終候補となって以降、世界各地で上演され、2020年春にはロンドンのオールド・ヴィック劇場で、ティモシー・シャラメ主演で上演されることが発表され、話題を呼びました。
大学生レオと祖母のヴェラが、長い時を経て再会することでふれあう、祖母が生きた時代、孫が生きる未来。それぞれ行き場を失っていた人生を果たして取り戻すことができるのか――。珠玉のヒューマンドラマが幕を開けます。
台本を読んだ印象は？
岡本：作者（エイミー・ハーツォグ）は、人間を描くことがすごく上手な方だなと思いました。台本を読んでいくうちに、どんどん、僕の役だったり皆さんが演じるそれぞれの役にすごく親近感がわきました。最初は役として読んでいたのが、途中からその役の人物が実際にいる人みたいに思えてきて、これは脚本の力だなと思いました。自分がその時に感じた思いをお客様に届けられるように、レオという人物を役として生きたいと心から思いました。
レオというキャラクターの魅力や、自身との共通点は？
岡本：6400キロを自転車で2か月もかけて横断するってどういう気持ちなんだろうと思って、「先週ロードバイクで日本海沿いの新潟県椎名町から１日100キロ走って４日間かけて千葉県の幕張海浜公園まで縦断しました」。経験していないことに対して思い込みを持つと台詞が感傷的になってしまうので…。実際に自転車で長い旅をしたことで、レオの気持ちが実感できて、台詞の裏の意味がすごくわかるようになりました。本当に大変だったけど、いいサイクリングでした。でももう、日本縦断は絶対やりたくないです！（笑）
作品に込めたメッセージを教えてください。
岡本：人間って、誰もが明るい人生を過ごしている人だとしても、実は心の中にはネガティブな部分って必ずあると思うんです。そういった心の中にある暗い部分って、人と人とのつきあいでそういったものって解消されると思うんです。この舞台は、大きな出来事が起こる物語ではないけれど、舞台をみて新しい舞台経験というか、心が浄化されてく感覚を感じていただければ嬉しいです。
～ストーリー～
9月のある深夜、レオ（岡本圭人）が祖母・ヴェラ（高畑淳子）のマンハッタンのアパートに突然現れる。レオは大学生で、夏の初めに親友と自転車で西海岸を出発し、アメリカ横断する旅に出たが、途中で事故に遭い、心の傷を負ったまま、最終地点であるニューヨークにたどり着いた。
一方、ヴェラは夫の死から10年たっても表札も替えず、隣人と朝晩、電話で安否確認するだけの孤独な毎日を過ごしていた。
祖父の葬式以来、久しぶりに再会した2人の同居生活に、レオのガールフレンドのベック（森川葵）行きずりの女子学生アマンダ（瀬戸さおり）が様々な波紋をもたらすが、レオとヴェラは次第に他の人には言えなかった心の内を明かすようになり、お互いの年齢や時代を超えて、共感を抱いていく――。
『4000 マイルズ～旅立ちの時～』
■作：エイミー・ハーツォグ
■演出：上村聡史
■出演： 岡本圭人 森川葵 瀬戸さおり 高畑淳子
【大阪公演情報】
日程：2023年1月7日（土）～9日（月・祝）
会場：梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
料金：11,000円（全席指定・税込）
お問合せ：梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ TEL：06-6377-3888
